ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
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2005年04月09日 :: 印象派の絵画をじっと観る(入院話題3) |
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入院の前半に入っていた個室には、モスブルーとモスピンク基調の、パリ郊外あたりの水遊び場の絵が掛かっていた。一見して印象派だとわかる色調である。病室横の洗面場にはルノアールの「ムーランドギャレッド」(部分)が。病棟のところどころに掛かっている絵は、どうも印象派かそれに類したものばかりで、これは趣味がいいと好印象であった。 ベッドから見えるのはこの絵くらいのもの。飽かず眺めた。手前にボートの群れ、水の上には艀(はしけ)が渡してあって、左にはバッスルスタイルのご婦人数人、右には話をしている水着の女性と男性。木々が深くそれらを覆っていて、右奥の方から明るい光が漏れている。 モネらしいとあたりはつけたのだが、なにせ寝たきりで絵に近づこうにも近づけない。見舞いの妻に観てもらう手もあったが、こういうことは自分で確認しようと特に頼まなかった。だから、立ち上がって一番最初にした仕事は、トイレでも何でもなく、右下に書いてある絵の作者のサインを確認したこと。はたしてモネであった。こんな時、自分の教養を実感できて、ちょっとうれしくなる。 それにしても、こんなに一つの絵をじっと毎日毎日見つめたことはない。複製で、窓からの光を浴びてちょっと色あせている。でも、長い間眺める絵として、この絵でよかった。バッスルスタイルのこの女性たちどんな話をしていたのだろう。どんな気持ちでモネはこの景色に対峙していたのだろう。意識は時空を超える。 最近、展覧会などで絵を見るたびに、これが、家にあったら、一生眺めても飽きない絵だろうかと思うことが多い。いいかもしれないと思う絵がいい絵といった評価を、表向きはともかく、内心では下しているような気がする。 絵の鑑賞は、その決定的な一枚探しの旅のようなものかもしれない。
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