ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
内容は、文学・言葉・読書・ジャズ・金沢・教育・カメラ写真・弓道など。一週間に2回程度の更新ペースですが、休日に書いたものを日を散らしてアップしているので、オン・タイムではありません。以前の日記に行くには、左上の<前月>の文字をクリックして下さい。
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2005年07月03日 :: 店売りの生きる道 |
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サイバー攻撃にやられて、一時停止していたネットの「価格COM」の掲示板サイトが6月23日(木)、ようやく復旧した。 最近の買い物は、まず、この「価格COM」や「2ch掲示板」で、ユーザーの生の声を読んで、良いところ悪いところを十二分に了解してから決意し、ネット上の最安値を検索、その価格情報をもって近所の店に行って交渉するというのが、私に限らず、多くの人の行動パターンになっている。このため、買う前から、その商品を熟知している客が、販売店員の知識を試しているかのような交渉をするという逆転現象がしばしば起こるようになった。山ほどある商品すべてに答えられるように、ある程度の知識を、広く浅く知っている店員に対し、この商品と思いこんで、知識を詰め込んで交渉にやってくる客。店員さんはさぞやりにくかろう。 外出下手になって以来、そうした交渉も煩わしくなった。その上、現物が店にない場合、取り寄せになり、場合によっては一週間近くかかる。それに対して、ネット通販は、「即日発送可能」と書いてある商品など、次の日には宅配便で来てしまう。欠点だった機動性においても、今や店売りを凌駕している。つまり、客の心理的には、近所の店より「近い」ことになってしまったのである。 この結果、「店を構える」ことの意味が低下した。職場によく顔を出す書店の外商さんも、本屋の敵は、今や「Amazon.co.jp」だとはっきり断言していた。本のような多品種少量販売の商品を扱っている場合、店置きには限度があり、手元に届くスピードで、勝敗ははっきりしている。 ただ、私がのべつまくなしネット注文に走らないのは、本の場合、外商さんが回って来てくれているからである。急がないものならば、地元の本屋さんでという、こちら側の「義理人情」で、なんとか保っている世界なのである。 もう外商を止めて職場へ来られなくなったF書店のOさん。何気ない雑談の中で、その人の趣味や興味のある分野をしっかり把握して、時々、頼みもしない本を、「欲しいんじゃないかと思いまして。」と持ってきていた。それがズバリと当たっている。ちょうど注文しようと思っていたところだったり、出ていることは知らなかったが、その内容なら、買わんわけにいかんなあ、という本だったり。 しまいに、私は、近代文学の「耽美派」が専門だから、その手の研究書が出たら、そっちで判断して持ってきて。絶対、買うからと、下駄を預ける始末。 プロ中のプロだったなあ。 今の人は、売れ筋の、利鞘のありそうなシリーズのパンフを置いていくだけ。こっちの興味分野など詳しく知らない。 客との濃密な関係。ご近所の電器屋さんは、とっくにそうした関係で商売をしている。本屋さんが生き残る道も、それしかないと思うのだが……。
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この日記には教育についてのコメントが出てきます。時に辛口のことも多いのですが、これは、あくまでも個人的な感想であり、よりよい教育への提言でもあります。守秘義務や中傷にならないよう配慮しているつもりです。 もし、問題になりそうな部分がありましたら、メールにてお知らせください。
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