ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
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2005年07月28日 :: 稚魚放流してー「推薦図書50選」の選定 |
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我が勤務校では、毎年、本校教師が選ぶ良書50選のパンフレットを作成し、夏休み前に生徒に配布している。新書・文庫限定。文芸作品を除く、読んでためになる部類の本。図書課の大事な仕事である。 ここのところ、多少の入れ替えはあったものの、前年踏襲が続いていたので、新鮮味がなくなっていた。絶版の本も混じっている有様。それに、何十年前の良書ばかりで、少々、黴臭い。そこで、今、ベストセラー中のものも入れて、大幅リニューアルをはかった。評価の定まった古い良書より、ちょっとくだけていてもいいから、生徒が手に取りそうなものを選びましょうという発想で。だから、今回、山田真哉『さおだけやはなぜ潰れないか』(光文社新書)、藤原正彦・小川洋子『世にも美しい数学入門』(筑摩プライマリー新書)などという話題の本を入れた。 作業としては、本を50冊選ぶだけなのだが、これが、なかなか大変だった。個々人の読書の領域は狭く、専門や興味関心分野以外はさっぱり解らない。選定メンバーは、国語・地理の教員に司書。理系・芸術系はまったく門外漢。文系でも守備範囲から外れる分野多数。色々な先生から、直接、推薦してもらって、それをネットで調べ、読者の評価、在庫の有無を確認し、ようやく候補として残す。その上で、各分野のバランスを考えて決めるのである。そんな苦労をして、でも、できたパンフはたった1枚の一覧表。生徒に配布して終わり。
今日、補習の休憩時間、黒板前で座っていた私の所に、女子生徒がやってきて、あのパンフから選んで1冊読んだよと報告してくれた。 職人の世界を描いた小関智弘『働くことは生きること』(講談社新書)。 ああ、いい本読んだね。日本の産業は、ああいう町工場によって支えられているんだよと、冴えない常識的コメント。 それだけの会話。
でも、作った一人としては、内心嬉しかった。司書室に戻ってみんなに御注進。よかった、よかったと喜び合う。 何万匹の稚魚を放流し、鮭何匹戻ってくるかの類だが、図書の仕事は、そんな努力の積み重ねである。
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