ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
内容は、文学・言葉・読書・ジャズ・金沢・教育・カメラ写真・弓道など。一週間に2回程度の更新ペースですが、休日に書いたものを日を散らしてアップしているので、オン・タイムではありません。以前の日記に行くには、左上の<前月>の文字をクリックして下さい。
・XP終了に伴い、この日誌の更新ができなくなりました。この日誌の部分は、別のブログに移動します。アドレスは下記です。
エキサイトブログ 「金沢日和下駄〜ものぐさ〜」 http://hiyorigeta.exblog.jp/
職場の図書室で、亀井勝一郎「大和古寺風物誌」の文庫版(新潮文庫)を見つけた。 以前、五木寛之の「百寺巡礼」を評した時(1月12日)に触れたので、亀井の本文を確かめようと開いたのだが、なんと「唐招提寺」の項に、五木が下敷きにした文章が載っていない。私は、受験問題集の問題文に出ていたのを、毎年授業で使っていたので、この一まとまりの文章を隅から隅まで熟知していて、その上、本文の最後には、しっかり(「大和古寺風物誌」より)と書いてあったので、疑いもしなかったのである。孫引き引用のボロがでた格好だ。 慌てて問題集の「解説と解答」の「出典」の項を読むと、副題に<古典への旅>とある。しかし、文庫にそんな小見出しはない。 文庫本の「あとがき」に、昭和十七年の初版以来、折々増訂していると書いてあるので、どこかの時期に、取捨選択されたのかもしれないが、そのあたりの事情はよく分からない。 はっきりさせようとすれば、「亀井勝一郎全集」で該当文章を探し、書誌を確認するしかないが、手近になく、それに、確か、あの全集、全集とは名ばかりの、杜撰な寄せ集め作品集でしかなかったはずである。 もし、あの文章が、今、唯一、容易に手に入る文庫版から漏れていることを知っていて、その上で、五木が下敷きに使ったとしたなら、かなりの確信犯であると思ったりもしたのだが、これは、あまりに穿った見方かもしれない。 通俗版古寺巡礼の、ごく一部を論ずるだけでも、いろいろ問題が起こる。やはり、お寺巡りの文章を論ずるときは、和辻の「古寺巡礼」、亀井の「大和古寺風物誌」。再度しっかり読んでからでないと始まらないようだ。
|
|
お願い
この日記には教育についてのコメントが出てきます。時に辛口のことも多いのですが、これは、あくまでも個人的な感想であり、よりよい教育への提言でもあります。守秘義務や中傷にならないよう配慮しているつもりです。 もし、問題になりそうな部分がありましたら、メールにてお知らせください。
感想をお寄せください。この「ものぐさ」のフォームは、コメントやトラックバックがあるブログ形式を採っておりません。ご面倒でも、左の運営者紹介BOXにあるアドレスを利用下さい。
(マイノートパソコンと今は無き時計 2005.6 リコー キャプリオGX8)
|