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ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。

 内容は、文学・言葉・読書・ジャズ・金沢・教育・カメラ写真・弓道など。一週間に2回程度の更新ペースですが、休日に書いたものを日を散らしてアップしているので、オン・タイムではありません。以前の日記に行くには、左上の<前月>の文字をクリックして下さい。

 

・XP終了に伴い、この日誌の更新ができなくなりました。この日誌の部分は、別のブログに移動します。アドレスは下記です。

 

エキサイトブログ 「金沢日和下駄〜ものぐさ〜」
           
http://hiyorigeta.exblog.jp/

 2005年05月27日
  北欧の歌姫モニカの死

 少し前の全国紙を開いていたら、小さくモニカ・セッテルンドの死亡記事が載っていた。

 

「ジャズ歌手セッテルンドさん火事で死亡」
 スウェーデンのジャズ歌手、モニカ・セッテルンドさんが12日夜、ストックホルム中心部の自宅マンションで起きた火災で死去した。67歳。地元メディアによると、ベッドでの喫煙が原因とみられる。
 1937年、同国ハーグフォルス生まれ。地元バンドで歌った後、ストックホルムの有名ジャズクラブに出演、60年の米国公演で国際的な名声を得た。最も有名な録音は64年にビル・エバンス・トリオと共演した「ワルツ・フォー・デビー」。
 女優としても活動、同国の映画やテレビに出演した。ここ数年は脊柱(せきちゅう)側彎(そくわん)症で、不自由な生活を送っていた。(共同通信)

 

 眼鏡をかけた老婦人の顔写真も小さく載っている。地方紙では見かけなかった情報である。
 彼女は、ジャズファンには、上述のビル・エバンス(p)との共演盤でなじみの深い北欧の歌姫だった。そもそも情報が多く入ってくる地域でもなく、また、「ジャズ歌手」と紹介されてはいるが、そんなにジャジーなスタイルでもない。有名なのはこの一枚だけである。
 ジャケットには、髪の短い、上品で知的な装いの美女が写っている。我々は、この姿で彼女のイメージが止まっているのだが、このCDを聞く度に、ご存命なのだろうか、もうそれなりのお歳のはずだと思っていた。まだ六十歳代だったことに逆に驚いたくらいである。死亡年齢から逆算すると、この録音時、26歳の若さということになる。競演のビルエバンスは、既に、1980年、もう25年も前に亡くなっている。彼女の場合、死因が「火災で」というのが痛ましい。
  この名盤、ビルのレコードとして買う人がほとんどである。私もそう。だから、始めて聞いた時の感想は、「悪くはないけど。」という程度。ジャズファンはどうしても器楽中心に聞いてしまう。つまり、歌を無視しがちなのである。だが、ビルはあくまでも伴奏者であって、間奏でソロをとることもあるが、長いものではない。
 ところが、十年ほど前から、人間の「ボイス」についてのアレルギーがとれてきて、女性ボーカリストのアルバムをよく聞くようになった。その流れで、このCDも聞き直して、その素晴らしさにようやく気がづいた。彼女自身の歌い方は実にあっさりとしている。黒人のパワーをかけた歌とは対極にある、その清楚な美しさ。
  特に、エバンス作曲のタイトル曲、スウェーデン語で歌う現地のトラディショナル小品数曲が美しい。
 英語が母国語でない国のボーカリストは圧倒的に不利である。英語で歌えば、その国特有の訛りがでるし、もし、米国のスタンダードを母国語で歌えば、格下の印象を受けざるを得ない。日本語で「テネシーワルツ」を歌っても、古い歌謡曲というような感覚しかしないのと同様である。
 その点、バッキングは名匠エバンスである。彼女が母国語で母国のトラディショナルを歌っても、我々は、これはジャズであるという安心感のもとで聞いていく。そして、北欧の曲自体がもつ美しさに感動するのである。多くのジャズファンが、皆、こうした道を辿って、これを名盤と認定する。実際、私自身、これと同じ話を何度も見聞きしている。
 母国語で歌っているのはほんの数曲だけである。しかし、彼女はその数曲で、ジャズファンの記憶に残る歌姫になった。 

[1] 

お願い

 この日記には教育についてのコメントが出てきます。時に辛口のことも多いのですが、これは、あくまでも個人的な感想であり、よりよい教育への提言でもあります。守秘義務や中傷にならないよう配慮しているつもりです。 もし、問題になりそうな部分がありましたら、メールにてお知らせください。

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