ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
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2005年05月01日 :: 「好きになってかまわない?」 |
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例の「問題な日本語」(大修館書店)を読んで、「全然」の肯定表現をどう説明したらいいのかが解説されていて、国語教員としては、助かった。 「全然」は、通常、打ち消しがともなうので、例えば、芥川龍之介「羅生門」の中に、「この老婆の生死が、全然、自分の意志に支配されているということを意識した」という文があって、こういうのを、どう説明すればいいか困っていた。 一時期、これは誤用だから、芥川のミスだろう。触れないようにしようと、授業で、すっとそこを素通りしていた時期もあったのだが、途中から、打ち消しばかりでないという説も聞こえてきて、確かにそうかもしれないとは思っても、そのあたりをどう説明したらいいのか、「全然」、わからなかったのである。 「全然」には、「まったく問題がない」、「あなたの予想とは反しているかもしれないが」というニュアンスがある。そのニュアンスで肯定表現があっても問題ないということらしい。 そこで、この本に載っていた漫画をアレンジして、以下の二つの例文を出してみた。授業の枕にする雑談ネタである。
例文1 女「あなたのこと好きになってかまわない?」 男「全然。」 問題、この男は断っているのでしょうか。承諾しているのでしょうか。
生徒の答えは、全員、承諾のほう。それであたりである。「おれはかまわないよ」という返事である。これを間違うと、二人にとって不幸なことになる。
例文2 女「私のこと好き?」 男「全然。」 さあ、どっち? でも、これは単なる受けねらい。生徒に聞くまでもない。
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